「大阪サミット」の料理も担当
JR九州が2023年3月2日(木)、観光列車「或る列車」の新メニューについて発表しました。
メニューの監修は引き続き、東京・南青山のレストラン「NARISAWA」のオーナーシェフ、成澤由浩氏が担当。新メニューも、成澤シェフが九州各地を視察して旬の食材を厳選、ふんだんに使用しているそうです。
ちなみに成澤シェフは、料理界のアカデミー賞と呼ばれる「ワールド 50 ベストレストラン」に14年連続で選出。2019年(令和元年)に開催された「G20大阪サミット」首脳晩餐会では、料理担当を務めています。
「或る列車」新メニューの内容
JR九州の観光列車「或る列車」2023年3月からのメニューは、次の通りです。食材は、おもなものを記載しています。
- 前菜「桜舞う、九州の海と大地」
- 平貝(大分県)、そら豆(鹿児島県)、天草の塩(熊本県)
- お魚料理「桜鯛と春のリゾット、サフラン風味のクラムチャウダー」
- 金時人参(福岡県)、桜鯛(長崎県)、アスパラガス(佐賀県)
- お肉料理「牛ほほ肉とミモザ咲く菜園仕立て」
- 人参(福岡県)、ジンゼチーズ(宮崎県)、たまご(福岡県)
- スイーツ「あまおうミルク」
- あまおういちご(福岡県)、牛乳(熊本県)、生クリーム(福岡県)
- ミニスイーツ「抹茶わらび餅」「甘酸っぱいタルト」「バスクチーズケーキ」
- 抹茶(福岡県)、ブラッドオレンジ(熊本県)、清見みかん(佐賀県)、牛乳(熊本県)
九州各地の食材生産者
観光列車「或る列車」2023年3月からの新メニューで使うおもな食材の生産者について、JR九州は次のように紹介しています。
- 「そら豆」田向利恵子さん(鹿児島県大島郡)
- 鹿児島県奄美大島のすぐ隣にある喜界島。隆起した珊瑚礁が地盤になっており、非常に水はけが良く地下水による農業が盛ん。とても自然豊かな島です。この地から春の味覚、そら豆を届けてくださるのは、田向利恵子さん。喜界島の温暖な気候で育つそら豆は、やや小ぶりの原種のものです。毎年、白く可憐な花が咲いたあと、3月頃から実を付け、島の食卓に並びます。「喜界島の在来品種であるそら豆を流通させて、島のそら豆栽培を活性化したい」という思いは、海を越え「或る列車」に届きました。
- 「アスパラガス」橋本農場(佐賀県杵島郡)
- 佐賀県の白石町で、アスパラガスのハウス栽培を行っている、橋本祐文さん、秀子さんご夫婦。「量より質」にこだわる橋本さんは、厳選した有機肥料を独自に配合。湿度や温度などにも常に注意を払いながら手入れをするなど、一本一本に我が子のような愛情を注いで育てています。そんな橋本さんのアスパラは太くて甘く、シャキシャキした触感が、幸せを運んでくれます。新鮮で安心の佐賀県産アスパラをご賞味ください。
- 「ジンゼチーズ」ダイワファーム(宮崎県小林市)
- 九州南部の霧島連山の北部に位置する宮崎県小林市にあります。霧島連山の豊かな自然の恵みを受けながら、餌や水にこだわり、乳牛を飼育しています。水は天然鉱山でろ過された地下水をひいており、さらに牛舎には活性炭を敷いて湿気やアンモニアを吸収させ、牛舎の匂いを取り去ることで、さらりとやさしい味わいの美味しい生乳が生まれるのだとか。そこから作られる乳製品の数々もまた、手づくりならではの素材の味が引き出されています。乳製品づくりに使っているのは、朝搾りたての生乳。どんな食材とも抜群の相性をお楽しみください。
- 「清見みかん」佐藤農場(佐賀県鹿島市)
- 雄大な有明海を見下ろす自然豊かな山間の地で、安心安全なみかんづくりを続けている佐藤農場は、1987年(昭和62年)にみかんの有機栽培を始めました。当初は失敗続きでしたが、土にこだわるために、地下30mから掘り起こした栄養豊かな土を根元にまき、肥料には発酵させたみかんの搾りかすや醤油かす、枯れ草のほか、海水を散布するなど自然の力を利用し、「有機JAS認定」を受けるまでにいたりました。