
JR東日本の寝台列車「カシオペア紀行」の運転日、時刻表、料金、予約方法、車内設備などについて、わかりやすく解説します。
情報は、災害などの理由で変更の場合があります。公式ホームページもご確認ください。
「カシオペア紀行」の基本
JR東日本の寝台列車「カシオペア紀行」は、1999年(平成11年)7月16日に上野~札幌間で運転を開始した寝台特急「カシオペア」がルーツです。
この寝台特急「カシオペア」は、JR東日本の顔となるフラッグシップトレインとして登場。全客室がA寝台(グリーン車相当)の個室で、後方展望を独り占めできる客室「カシオペアスイート」、ダイニングカー(食堂車)、ラウンジカーなど、豪華な設備を誇りました

JR東日本は寝台特急「カシオペア」の運転を、2016年(平成28年)に終了。そして翌2017年(平成29年)、新たなフラッグシップトレインとして、豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島」を登場させます。
このとき廃止された寝台特急「カシオペア」の車両(E26系客車)を使って、JR東日本が不定期に運転しているツアー専用列車(団体列車)が、「カシオペア紀行」です。
ツアー専用列車(団体列車)の「カシオペア紀行」になっても、豪華な設備やサービスは健在。個室での一夜、ラウンジカーの優雅な時間、ダイニングカーでフランス料理の夕食、パブタイムなどを楽しめます。

おもな運行区間
JR東日本の寝台列車「カシオペア紀行」は、おもに上野駅(東京都台東区)と仙台駅(宮城県仙台市)、盛岡駅(岩手県盛岡市)、青森駅(青森県青森市)、秋田駅(秋田県秋田市)、甲府駅(山梨県甲府市)、長野駅(長野県長野市)のあいだで運行されます。

客席・車内設備・座席表
JR東日本の寝台列車「カシオペア紀行」は、大きく分けて3種類の個室があります。
カシオペアツイン

座席車ならグリーン車に相当する、A寝台の2人用個室です。
「カシオペア紀行」の標準的な個室で、特に豪華な部分はありませんが、ベッドにもなるソファ、トイレ、洗面台、コンセントなどを備えており、十分に快適でしょう。

カシオペアツインの個室は3タイプあり、「2階にある個室」が32室、「1階にある個室」が32室、「平屋部分にある個室(車端室タイプ)」が15室(1室は車いす対応)です。
室数が79室と多いのも、カシオペアツインのポイント。比較的、きっぷの予約難易度が低い個室でもあります。
カシオペアデラックス
座席車ならグリーン車に相当する、A寝台の2人用個室です。
専有面積が比較的広く、室内にシャワー、ドライヤー、バスタオル、トイレ、洗面台、コンセント、専用アメニティグッズなどを備えます。
カシオペアデラックスの個室は、「カシオペア紀行」の2号車に1室だけあります。
カシオペアスイート

座席車ならグリーン車に相当する、A寝台の2人用個室です。
「カシオペア紀行」で最も豪華な個室で、専有面積が広く、室内にシャワー、ドライヤー、バスタオル、トイレ、洗面台、コンセント、専用アメニティグッズなどを備えます。
カシオペアスイートの個室は2タイプあり、最後尾の眺望を独占できる「展望室タイプ」が1室、1階が寝室で2階がリビングになった「メゾネットタイプ」が6室です。
展望室タイプは「カシオペア紀行」のシンボル的な客室であるため、高額なツアー料金ながら、非常に高い人気。抽選で販売されることもあります。
座席表・編成表
「カシオペア紀行」は、EF81形電気機関車(長野駅方面に向かう場合はEF64形電気機関車)が、E26系客車12両を牽引する形で運転されます。


- 上野駅を発車するときの編成は、先頭が機関車で、次にラウンジカーの12号車、最後尾がカシオペアスイートのある1号車です。
- シートマップの各部屋について、水色はカシオペアツイン、青色は車端室(平屋)タイプのカシオペアツイン、1号車と2号車に3室ずつあるのはメゾネットタイプのカシオペアスイートです。
きっぷの予約方法
JR東日本の寝台列車「カシオペア紀行」は、ツアー専用列車(団体列車)のため、クラブツーリズム、
読売旅行といった旅行会社が発売するツアーを予約、購入することで乗車できます。

きっぷの料金
JR東日本の寝台列車「カシオペア紀行」は、ツアー専用列車(団体列車)としての運転です。
そのきっぷは、「カシオペア紀行」への乗車と観光、宿泊をセットにしたツアーとして発売される場合が多いため、料金はツアーによって異なります。
「カシオペア紀行」乗車ツアーの料金は、乗車だけのシンプルなもので大人1人5万円から6万円程度、ホテルなどに宿泊するもので大人1人10万円前後から、という場合が多いようです(2名1室でカシオペアツイン利用時)。
運行日・停車駅・時刻表
JR東日本の寝台列車「カシオペア紀行」は、ツアー専用列車(団体列車)として不定期に運転されます。
仙台行き
上野~仙台間の「カシオペア紀行」往復乗車と、仙台周辺での観光や特別な体験を楽しむツアーで運行。
仙台駅行きの列車は、2025年5月9日(金)、6月14日(土)、28日(土)の22時40分ごろ、上野駅を出発。翌朝の9時40分ごろに、仙台駅へ到着します。
上野駅行きの列車は、2025年5月11日(日)、6月16日(月)、30日(月)の11時45分ごろ、仙台駅を出発。当日の17時30分から19時30分ごろに、上野的へ到着します。
乗車ツアーは準備ができ次第、JR東日本びゅうツーリズム&セールスで発売される予定です。

秋田行き
上野~秋田間の「カシオペア紀行」往復乗車と、秋田県、青森県での観光や特別な体験を楽しむツアーで運行。
秋田駅行きの列車は、2025年5月15日(木)、5月31日(土)の23時00分ごろ、上野駅を出発。翌朝の11時00分ごろに、秋田駅へ到着します。
上野駅行きの列車は、2025年5月17日(土)、6月2日(月)の15時30分ごろ、秋田駅を出発。翌朝の6時40分ごろに、上野的へ到着します。
これまで「カシオペア紀行 秋田行き」は通常、東北本線、奥羽本線経由での運行でしたが、この回は(少なくとも往路は)上越線、羽越本線経由で運行するようです。
乗車ツアーは準備ができ次第、JR東日本びゅうツーリズム&セールスで発売される予定です。
