寝台列車「カシオペア紀行」運行終了か? 理由はなぜ? いつ廃止?

寝台列車「カシオペア紀行」に廃止の可能性?

寝台列車「カシオペア紀行」に廃止の可能性?

列車の運転日、時刻、内容は、災害などで変更の場合があります。乗車の際は、鉄道会社の公式ホームページなどで情報をご確認ください。

「カシオペア紀行」運行終了のおそれ

JR東日本がツアー専用列車(団体列車)として運転している観光列車「カシオペア紀行」。上野~札幌間を結んだ寝台特急「カシオペア」の流れをくむ、高い人気を誇る列車です。しかし、近い将来に廃止される可能性がささやかれています。

「カシオペア紀行」は、機関車が客車をけん引するタイプの列車ですが、その機関車について、JR東日本が「基本的に全て廃車にする方針」だという情報が出てきているからです。

機関車がなくなってしまうと、「カシオペア紀行」は現在の形での運転が不可能になります。そのため、JR東日本が機関車を全廃するタイミングで「カシオペア紀行」は廃止になるのではないか……ということが、いま危惧されているようです。

電気機関車(EF64形1000番台、EF81形)がけん引するJR東日本の観光列車「カシオペア紀行」

電気機関車(EF64形1000番台、EF81形)がけん引するJR東日本の観光列車「カシオペア紀行」

機関車廃止のねらい

この「機関車全廃の方針」について、JR東日本が公式に発表したものではありません。しかし、その方針に関する内部資料由来とみられる情報がネット上に出てきており、それが先述の「カシオペア紀行」廃止の危惧につながっている状況です。

この「機関車全廃の方針」を裏付けるようなJR東日本の動きも、実際にあります。

「機関車の代わり」を新造

機関車がけん引する昔ながらのレール輸送列車

機関車がけん引する昔ながらのレール輸送列車

JR東日本は近年、これまで機関車を使って行っていたレール輸送、砕石輸送(線路に敷く石の輸送)、車両輸送(配給)に関し、機関車の後継として電車タイプ、もしくはディーゼルカータイプの新型車両(GV-E197系、E493系、キヤE195系)を導入。機関車がなくても、レールや砕石の運搬、車両輸送ができる体制を整えています。

言い換えると、JR東日本が体制を、独特の仕組みを持つ機関車の代わりに、電車やディーゼルカーを使う形に変更しているのです。

レール輸送のため製造されたJR東日本のキヤ195系ディーゼルカー

レール輸送のため製造されたJR東日本のキヤ195系ディーゼルカー

なぜ機関車を廃止するの?

JR東日本が機関車を廃止する理由として、効率的ではないことが挙げられます。

日本の旅客鉄道会社では現在、機関車が客車をけん引するタイプの列車は、「カシオペア紀行」やイベント列車といった日常的とは言えない列車や、レールや砕石、車両を輸送する列車に、ごく少数が存在するだけ。ほとんどの列車で、電車やディーゼルカータイプの車両を使っています。

機関車がけん引していたブルートレインも、「北斗星」を最後に2015年で運転を終了

機関車がけん引していたブルートレインも、「北斗星」を最後に2015年で運転を終了

こうした状況で、ごく少ない列車のため機関車を維持するのは、効率がよいとは言えません。機関車を走らせるためには、運転士がその方法を、いつも運転している電車やディーゼルカーの方法に加えて学ばねばなりませんし、機関車のメンテナンスをする仕組み、設備も維持する必要があるからです。

砕石輸送などのため製造されたJR東日本のGV-E197系電気式ディーゼルカー

砕石輸送などのため製造されたJR東日本のGV-E197系電気式ディーゼルカー

そこで機関車を廃止して、代わりに電車タイプやディーゼルカータイプの車両を製造し、それを使ってレールや砕石、車両を輸送する列車を運転できるようにすれば、運転方法もメンテナンスの仕組みも、多数存在している電車やディーゼルカーと共通化が可能。効率アップやコスト削減を実現できるわけです。

そうした背景から、JR東日本は機関車廃止の動きをみせています。ちなみにJR東海は、すでに1両も機関車を保有していません。

「カシオペア紀行」向け車両は発表なし

このように代わりの車両を新たに製造し、「脱機関車」を進めるJR東日本ですが、「カシオペア紀行」をけん引する機関車の代わりになる車両については、何も発表をしていません。

レールや砕石、車両の輸送に電車、ディーゼルカータイプの車両が導入され、いよいよ少なくなった機関車が活躍する場。「カシオペア紀行」やイベント列車といったごくわずかな列車のため、JR東日本が機関車の代わりに新しい車両を用意する可能性は、はたしてどのくらいあるのでしょうか。

機関車けん引ではなく、自走できる形で製造されたJR東日本の観光列車「TRAIN SUITE 四季島」

機関車けん引ではなく、自走できる形で製造されたJR東日本の観光列車「TRAIN SUITE 四季島」

車両老朽化も「カシオペア紀行」の心配

さらに「カシオペア紀行」の廃止が心配される要因として、「車両の老朽化」も挙げられます。

JR東日本が使用している機関車は、「カシオペア紀行」をけん引する機関車も含め、すべて国鉄時代に製造されたもの。そして「カシオペア紀行」に使う客車(E26系)も、1999年(平成11年)7月16日に登場。すでにそれから20年以上が経過しました。

JR東日本の観光列車「カシオペア紀行」の客室「カシオペアツイン」

JR東日本の観光列車「カシオペア紀行」の客室「カシオペアツイン」

鉄道車両の寿命は一概には言えず、30年以上走り続けることも珍しくありませんが、登場して20年から30年の車両が廃車になっても、特に珍しくありません。

「カシオペア紀行」の車両は、機関車も客車も、いつ引退したとしてもおかしくないのです。

「カシオペア紀行」廃止時期はいつ?

JR東日本の観光列車「カシオペア紀行」

JR東日本の観光列車「カシオペア紀行」

JR東日本が機関車を全廃する時期について、有力とされているのは「2024年ごろ」です。

そのころには、「カシオペア紀行」のE26系客車も登場から25年。この「2024年ごろ」が、ひとつの区切りになるのでしょうか。

仮にJR東日本の「機関車全廃」がないとしても、車両の老朽化を考えると、「カシオペア紀行」の運転終了はそう遠くない時期になりそうです。早めに乗っておいたほうが、後悔しないかもしれません。

おすすめツアー(旅行商品)

JR東日本の観光列車「カシオペア紀行」は、ツアー専用列車(団体列車)です。各社から発売されているツアーの購入で乗車できます。

クラブツーリズム「鉄道の旅特集」
メニューから「カシオペア」で検索すると、「憧れの寝台特急の『カシオペア紀行』で行く優雅な東北列車旅 2日間」などが発売されています。
JR東日本びゅうツーリズム&セールス「カシオペア紀行」
『カシオペア紀行 青森行き』と日本海の絶景『リゾートしらかみ』『いなほ』ぐるっと東日本周遊3日間」などが発売されています。
「古都・奈良」イメージの新観光列車「あをによし」

「古都・奈良」イメージの新観光列車「あをによし」

新観光列車「SAKU美SAKU楽」「あをによし」に乗る!
★いま注目★ 新観光列車「SAKU美SAKU楽」「あをによし」のツアーが登場。「『SAKU美SAKU楽』『サンライズ瀬戸』『アート列車』で巡る瀬戸内 3日間」「近鉄観光特急『あをによし』近鉄特急『ひのとり』嵯峨野トロッコ列車 信楽 日帰り」などが発売されています。
上記のツアーは、定員に達したなどで募集終了の場合があります。

SL列車・イベント列車はどうなる?

JR東日本の観光列車「SLぐんま みなかみ」

JR東日本の観光列車「SLぐんま みなかみ」

JR東日本の「機関車全廃」という説について、それが進むとSL列車やイベント列車も運転終了、廃止ということになってしまいます。

この点について、蒸気機関車と、動態保存を目的とした一部の機関車は例外的に残される、という話もあるようです。ただコロナ禍によって大きな影響を受けているJR東日本、その判断がどうなるか、注目されます。

なお、これら「カシオペア紀行」廃止に関する情報は、一定の信憑性がある形で存在していますが、JR東日本が公式に発表したものではありません。ご注意ください。