列車の特徴・車内
ただひとつになった夜行列車・寝台列車
JR西日本、JR東海の寝台列車「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」は、日本でただひとつになった、毎日定期運行される夜行列車、寝台列車です。
この「サンライズ瀬戸」と「サンライズ出雲」は、東京~岡山間で連結して運転されます。岡山駅での連結、切り離し風景は、「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」名物のひとつです。
寝台は全て個室
「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」の寝台設備は、すべて個室。グリーン車に相当するA寝台の「シングルデラックス」、普通車に相当するB寝台の「シングルツイン」「シングル」「ソロ」「サンライズツイン」の個室があります。
ちなみに「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」の内装は、ハウスメーカーのミサワホームも関わって、つくられました。
誰でも使えるシャワー室
「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」は、車内のシャワー室で汗を流すことも可能。そのためのタンクが車両に設置されており、お湯を6分間、出すことができます。
シャワー室は、3号車と10号車に1か所ずつ(「サンライズ瀬戸」編成、「サンライズ出雲」編成それぞれに1か所ずつ)あり、有料(330円)で使用可能。また、これとは別にA寝台「シングルデラックス」専用のシャワー室も用意されており、「シングルデラックス」の乗客は追加料金なしで使えます。

JR西日本、JR東海の観光列車「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」シャワー室(しんかわな – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=20624704による)
安く乗れるノビノビ座席も
「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」は、寝台料金不要でカーペットにごろ寝できる「ノビノビ座席」も用意しています。頭が来る部分に仕切りがあり、一定のプライバシーも確保。リーズナブル、かつ快適に夜行列車の旅を楽しめるのもポイントです。
おもな運転区間
JR西日本、JR東海の寝台列車「サンライズ瀬戸」は、東京駅(東京都千代田区)と高松駅(香川県高松市)を、東海道本線、山陽本線、瀬戸大橋線経由で結びます。走行距離は804.7kmです。
また「サンライズ瀬戸」は、東京駅発の琴平駅(香川県仲多度郡琴平町)行きで運転されることもあります。その場合、走行距離は848.7kmです。琴平駅発の東京駅行きは運転されません。
「サンライズ出雲」は、東京駅と出雲市駅(島根県出雲市)を、東海道本線、山陽本線、伯備線、山陰本線経由で結びます。走行距離は953.6kmです。
編成・座席表
JR西日本、JR東海の寝台列車「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」は、それぞれ285系電車7両編成での運転です。東京~岡山間では基本的に、連結して14両編成で走ります。
3号車と10号車に共用のシャワー室(有料)とラウンジ、5号車と12号車に寝台料金不要で安く利用できる「ノビノビ座席」があります。ラウンジには、ソフトドリンクの自動販売機も設置。なお「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」で、車内販売は行われません。
4号車の2階、11号車の2階は、グリーン車に相当するA寝台の個室「シングルデラックス」です。その乗客専用のシャワー室も用意されています。
運転日・時刻表
JR西日本、JR東海の寝台列車「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」は例年、それぞれ1日1往復の運転が基本です。「サンライズ瀬戸」が琴平駅まで延長運転される日、通常の「サンライズ出雲」にくわえて「サンライズ出雲91号」「サンライズ出雲92号」が追加運転される日があります。
発表されている運転日・時刻表
- 特急「サンライズ瀬戸」
- 東京駅21時50分発~高松駅7時27分着、高松駅21時26分発~東京駅7時08分着。
- 毎日運転。
- A寝台車(シングルデラックス)、B寝台車(シングルツイン、シングル、ソロ、サンライズツイン)、普通車指定席(ノビノビ座席)。
- 特急「サンライズ瀬戸」琴平駅延長運転
- 東京駅21時50分発~高松駅7時27分着~琴平駅8時39分着。
- 2022年9月30日までの金曜日と土曜日、7月15日~17日、8月10日、9月16日~18日、22日~24日は、下り「サンライズ瀬戸」を高松駅から琴平駅まで延長運転。
- A寝台車(シングルデラックス)、B寝台車(シングルツイン、シングル、ソロ、サンライズツイン)、普通車指定席(ノビノビ座席)。
- 特急「サンライズ出雲」
- 東京駅21時50分発~出雲市駅9時58分着、出雲市駅18時53分発~東京駅7時08分着。
- 毎日運転。
- A寝台車(シングルデラックス)、B寝台車(シングルツイン、シングル、ソロ、サンライズツイン)、普通車指定席(ノビノビ座席)。
- 特急「サンライズ出雲92号」
- 出雲市駅15時33分発~東京駅6時23分着。
- 2022年8月9日、15日運転。
- A寝台車(シングルデラックス)、B寝台車(シングルツイン、シングル、ソロ、サンライズツイン)、普通車指定席(ノビノビ座席)。
- 特急「サンライズ出雲91号」
- 東京駅22時21分発~出雲市駅13時07分着。
- 2022年8月10日、16日運転。
- A寝台車(シングルデラックス)、B寝台車(シングルツイン、シングル、ソロ、サンライズツイン)、普通車指定席(ノビノビ座席)。
きっぷの予約方法
JR西日本、JR東海の寝台列車「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」は全車指定席のため、乗車には予約が必要です。
ツアー(旅行商品)で予約
旅行会社が発売するツアー(旅行商品)を購入する形でも、「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」に乗車可能。ホテルや新幹線をセットで購入できるため、条件にあえば、この方法が楽でお得かもしれません。
近畿日本ツーリスト「観光列車・寝台列車の旅特集」
- 「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」とホテル、行き帰りの新幹線などを組み合わせた、いわゆるフリープランのツアーを購入できます。
- クラブツーリズム「鉄道の旅特集」
- メニューから「サンライズ」で検索すると、「寝台特急『サンライズ出雲』・観光列車『あめつち』『あまつぼし』列車で紡ぐ山陰 3日間」などが発売されています。
「e5489」で予約
「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」のきっぷは、JR西日本のネット予約サービス「e5489」で、乗車1か月前の午前10時00分から購入できます。
「e5489」では、そのさらに1週間前(同じ曜日)の午前5時30分から事前申し込みできるサービスを行っていますが、「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」で事前申し込み可能なのは、「ノビノビ座席」だけ。寝台は事前申し込みできず、乗車1か月前の午前10時00分以降に申し込み、購入することになります。
「えきねっと」で予約
JR東日本のネット予約サービス「えきねっと」でも、「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」の「ノビノビ座席」に限り、乗車1か月前の午前10時00分から購入できます。
「えきねっと」も、そのさらに1週間前(同じ曜日)の14時から事前受付のサービスを行っていますが、その対象は「JR東海、JR四国、JR九州の区間を含まないきっぷ」。よって「えきねっと」での「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」事前受付は、現実的にはできないと考えたほうがよさそうです。
JR駅「みどりの窓口」・おもな旅行会社で予約
「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」のきっぷは、JR駅の「みどりの窓口(JR東海の駅では『JR全線きっぷうりば』)」、おもな旅行会社などで、乗車1か月前の午前10時00分から購入できます。
JR駅の指定席券売機で予約
JR西日本の駅にある「みどりの券売機プラス」など、オペレーターと通話しながら購入できるタイプの券売機であれば、その方法で乗車1か月前の午前10時00分から購入できます。
利用者が機械を操作するだけの一般的な指定席券売機では、「ノビノビ座席」のみ乗車1か月前の午前10時00分から購入できるようです。
予約状況
「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」の予約状況は、JR西日本のネット予約サービス「e5489」で乗車日時、乗車区間などを入力することで確認できます。
「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」は予約がとれない?
「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」は人気列車のため、特に室数が少ないA寝台「シングルデラックス」とB寝台「サンライズツイン」は、「予約がとれない」という声も多いようです。
そのきっぷを入手するために最も確実な方法は、予約開始のタイミング(乗車1か月前の午前10時00分)ちょうどに、JR駅の「みどりの窓口」などできっぷを購入する方法、いわゆる「10時打ち」でしょう。詳しくは次のページをご覧ください。
次は、「e5489」を使う方法でしょうか。乗車1か月前の午前10時00分になると申込みできるようになるので、そこで素早く入力していけば、購入できる可能性があります。
ただ満席でも、諦めるのは早いかもしれません。キャンセルが出ることも珍しくないからです。
シャワー室について
「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」のシャワー室(「シングルデラックス」乗客用ではなく共用のもの)を利用するには、乗車したのち、そのシャワー室付近にある自動販売機で330円の「シャワーカード」を購入します。「シャワーカード」の発売枚数には限りがあるため、要注意です。
「シングルデラックス」に乗車する場合は、あらかじめその個室に用意されている「シャワーカード」で、専用のシャワー室を利用できます。
きっぷの料金
「サンライズ瀬戸」の料金
JR西日本、JR東海の寝台列車「サンライズ瀬戸」に、JRの一般的な列車と同様にきっぷを購入し、東京~高松間で片道乗車した場合の通常料金です。
- 1人用A寝台個室「シングルデラックス」利用の場合
- 乗車券(1万1540円)、特急券(3300円)、「シングルデラックス」のA寝台券(1万3980円)の合計で2万8820円(子ども2万1400円)。
- 1人用B寝台個室「シングル」利用の場合
- 乗車券(1万1540円)、特急券(3300円)、「シングル」のB寝台券(7700円)の合計で2万2540円(子ども1万5120円)。
- 1人用B寝台個室「シングルツイン」利用の場合
- 乗車券(1万1540円)、特急券(3300円)、「シングルツイン」のB寝台券(9600円)の合計で2万4440円(子ども1万7020円)。「シングルツイン」は5500円の追加で、補助ベッドを使った2人用個室としても利用可能です。
- 1人用B寝台個室「ソロ」利用の場合
- 乗車券(1万1540円)、特急券(3300円)、「ソロ」のB寝台券(6600円)の合計で2万1440円(子ども1万4020円)。
- 2人用B寝台個室「サンライズツイン」利用の場合
- 乗車券(1万1540円)、特急券(3300円)、「サンライズツイン」のB寝台券(7700円)の合計で2万2540円(子ども1万5120円)。2人用個室「サンライズツイン」は1名でも利用できますが、その場合は2名分の特急券と「サンライズツイン」のB寝台券が必要です(乗車券は1名分でOK)。
- 指定席「ノビノビ座席」利用の場合
- 乗車券(1万1540円)、指定席特急券(3830円)の合計で1万5370円(子ども7680円)。
- 自由席利用の場合
- 自由席はありません。
「サンライズ出雲」の料金
「サンライズ出雲」に、JRの一般的な列車と同様にきっぷを購入し、東京~出雲市間で片道乗車した場合の通常料金は、乗車券が1万2210円になります。特急券、寝台券の料金は、上記「サンライズ瀬戸」の東京~高松間と同額です。