
JR北海道が2025年3月19日(水)、新しい観光列車「赤い星」「青い星」について、運行開始時期を変更すると発表しました。
また、既存の観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」「富良野・美瑛ノロッコ号」について、引退予定だった車両の運行を継続すると発表しました。
2026年春の登場予定が
JR北海道は、2026年4月から新観光列車「赤い星」を釧網本線の釧路~知床斜里間で、2026年6月から新観光列車「青い星」を富良野線の旭川・美瑛~富良野間で運行すると、2024年12月18日に発表していました。

しかし、「赤い星」「青い星」の元になるキハ141系ディーゼルカーについて、通常の定期検査では取り外さない内装材の内側を確認したところ、想定以上の腐食、ゆがみが存在。
豪華で上質な観光列車を提供するためには、当初の想定以上に補修の時間が必要なことから、運行開始時期を変更するといいます。

元になるキハ141系ディーゼルカーは、1977年(昭和52年)から登場した50系客車に、1990年代、エンジンを載せてディーゼルカーへ改造したもの。「赤い星」「青い星」に使用するキハ141系ディーゼルカーも、経年40年をこえているそうです。
新観光列車「赤い星」「青い星」の運行開始時期は、確定し次第、改めて発表するといいます。


引退予定だった「ノロッコ号」車両
新観光列車「赤い星」「青い星」の登場にともない、釧路~塘路・川湯温泉間を走る観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」、旭川・美瑛~富良野間を走る観光列車「富良野・美瑛ノロッコ号」の車両は、2025年度で運行を終了する予定でした。
しかし「赤い星」「青い星」の運行開始時期が変更になるため、必要な措置を施したうえ、2026年度に限り運行を継続するそうです。

ただ、「くしろ湿原ノロッコ号」「富良野・美瑛ノロッコ号」に使用している車両も、機関車が45年以上、客車が40年以上の経年。老朽化が進行しているうえ、使用部品の生産中止が相次いでいることから、2027年度以降の運行は行わないといいます。
過疎化や人手不足などで、厳しい状況が続いているJR北海道。厳しい環境で使われてきた経年40年以上の車両を、同様に経年40年以上の車両を改造して置き換える今回の動き自体、その難しい情勢を反映しているとも考えられるでしょう。
札幌駅まで北海道新幹線が開業すると、北海道の鉄道に良い影響をおよぼす可能性もありますが、その開業目標も「2030年度末」から「2038年度末」になり、さらに遅れる可能性もあると、この2025年3月に国土交通省の有識者会議で明らかになりました。
北海道の鉄道は今後、どうなっていくのでしょうか。