
2025年度における観光列車「トロッコ電車」の運行について、黒部峡谷鉄道が概要を発表しました。
「トロッコ電車」は、道路もない大自然の秘境「黒部峡谷」をさかのぼっていく観光列車。走る線路は、黒部川流域で発電所やダムを建設する目的で、大正末期から昭和初期にかけて敷かれたものです。
黒部峡谷鉄道の沿線は豪雪地帯のため、冬期は運休。例年4月末に「冬眠」から覚めて、「トロッコ電車」が走り出します。
2025年度の運転概要
運行区間
黒部峡谷鉄道の観光列車「トロッコ電車」は基本的に、宇奈月駅(富山県黒部市)と欅平駅(同)のあいだで運行されます。
ただ黒部峡谷鉄道は、2024年1月の令和6年能登半島地震で被災。猫又~鐘釣間にある鐘釣橋などが引き続き復旧作業中であるため、2025年度も昨年度と同様に、宇奈月~猫又間での運行です。
復旧工事の完了は2026年中が目標とのことですが、全線開通の時期はまだ見通せないといいます。

ちなみに、災害で一時的な終点になっている猫又駅(富山県黒部市)は工事関係者専用駅で、一般客は乗降できない場所。
災害のせいなので、こう書くのもなんですが、猫又駅を利用できるのは「いまだけ」です。
また、猫又駅は日本で唯一、「猫」が名前に含まれる駅。黒部峡谷鉄道は「期間限定と日本唯一をお楽しみください」としています。
運行日
黒部峡谷鉄道の観光列車「トロッコ電車」は2025年度、4月20日(日)から11月30日(日)まで、毎日運行されます。
ただ、5月2日(金)までは宇奈月~柳橋間、5月9日(金)までは宇奈月~笹平間での運行。宇奈月~猫又間での運行は、5月10日(土)からです。
黒部峡谷鉄道の沿線は豪雪地帯のため、冬期は運休し、場所によってはレールや橋桁も外してしまいます。
春を迎えて、それらを元に戻す整備を終えた区間から、徐々に走り出す具合です。

時刻表
黒部峡谷鉄道の観光列車「トロッコ電車」は、最大で1日11往復が運行されます。災害のため、宇奈月駅から終点まで、同じ車両へ往復乗車する形での運行なので、注意が必要です。
柳橋駅まで運行する4月20日(日)から5月2日(金)は、宇奈月駅9時00分発から15時19分発まで、1時間に1本の運転。柳橋駅では下車できず、そのまま折り返します。
笹平駅まで運行する5月3日(土)から9日(金)、猫又駅まで運行する5月10日(土)から11月24日(月)は、宇奈月駅8時17分発から15時19分発まで、1時間に1~2本の運転です。笹平駅、猫又駅では20分の折り返し時間があり、一時下車することが可能です。
猫又駅まで運行する11月25日(火)から30日(日)は、宇奈月駅8時17分発から14時33分発まで、1時間に1~2本の運転です。猫又駅では20分の折り返し時間があり、一時下車することが可能です。
時刻表について詳しくは、黒部峡谷鉄道のホームページをご覧ください。

使用車両・編成
黒部峡谷鉄道の観光列車「トロッコ電車」は、窓ガラスがない普通客車、窓ガラスがあるリラックス客車、電気機関車の編成で運行されます。
列車によって、両方の客車を連結している場合、片方の客車しか連結していない場合があります。使用車両、編成について詳しくは、黒部峡谷鉄道のホームページをご覧ください。
予約方法・料金
予約方法
黒部峡谷鉄道の観光列車「トロッコ電車」は、定員制での運転です。乗車前にきっぷを予約する必要があります。
2025年度の予約は、4月1日(火)から、黒部峡谷鉄道のホームページで可能です。

「トロッコ電車」の予約は、乗車3か月前から前日の15時00分まで行えるので、4月1日(火)には、運転開始初日の4月20日(日)から7月1日(火)のきっぷを予約できます。
「トロッコ電車」に乗車するツアーも、クラブツーリズム「鉄道の旅特集」などから発売されます。予約をおまかせでき、楽なので、検討の価値があるでしょう。
料金
「トロッコ電車」の料金は、宇奈月~柳橋間が700円、宇奈月~笹平間が1660円、宇奈月~猫又間が2820円です。いずれも往復の料金で、子供(小学生)は約半額になります。
窓のあるリラックス客車を利用したい場合は、1乗車あたり600円の料金が別に必要です。